【池上解説】単位が世界を動かしている!?人民元がドルに代わって大躍進のワケとは
■ウクライナとロシアの戦いで「人民元」が大躍進!?
そんな中、いまドルにとって代わる勢いで流通量を伸ばしているのが中国の「人民元」です。でも中国の経済発展の勢いは今ちょっと衰えを見せています。不動産バブルがはじけた影響などで、経済の伸び率はイマイチ、というニュースをご覧になった方も多いでしょう。そんな中でも人民元の流通量が伸びている理由はウクライナとロシアの戦いです。 いまロシアはアメリカなど西側諸国からの経済制裁を受けています。そのためロシアは輸入に不可欠なドルが手に入りにくい状況です。でも中国はこれまでと変わらずロシアとの貿易を続けています。そこで登場するのが人民元です。例えばロシアの原油を輸入する際に人民元で支払い、ロシアもその人民元を使って中国のものを輸入する…そんな人民元を介しての取引が成立しているんです。結果近隣諸国にもその動きが広まり、人民元経済圏が徐々に形成されてきている、と言われています。 経済制裁をすればするほど人民元が広がっていく、きわめて皮肉な結果となっているんですね。 単位はこうしてみてくると実に奥が深いですし、知らないこともたくさんあったと思います。単位を統一することで世界経済は発展してきた、そんなことを実感していただけるんじゃないでしょうか。 (池上彰のニュースそうだったのか!!11月2日OAより)
テレビ朝日