【池上解説】単位が世界を動かしている!?人民元がドルに代わって大躍進のワケとは
■アメリカはプライドで「メートル」を使わない!?
今年はメジャーリーグの試合をご覧になった方も多いのではないでしょうか。試合を見ていると、ピッチャーの球速がキロメートルではなく「マイル」で表示されていましたよね。このマイルやヤード、ガロンやポンド、といった単位は「ヤードポンド法」と呼ばれるものです。1824年にイギリスで誕生しました。イギリスは1960年代から徐々にメートル法へと切り替わってきていますが、アメリカはずっと今も使い続けているんですね。 ではなぜアメリカは世界の流れに反してヤードやポンドを使い続けているんでしょうか。まずはコストの問題です。アメリカは大変大きいですから、道路標識などをすべて変更するとなったら莫大なお金がかかります。そしてもう一つ言われているのが、超大国としての「プライド」です。なぜフランスが作った単位を俺たちが使わないといけないんだ!…とそんなアメリカファーストの思いがあると言われています。つまりアメリカは単位の基準を握りたい、そう考えているわけですね。 でも中にはヤードポンド法による表示が世界基準となっているものもあります。 例えば皆さんが今目にしている画面です。例えばこのテレビは40インチ、このPCは14インチ、なんて言いますが、これはどこのサイズが40インチなのかわかりますか?画面の縦とか横の長さ、と思った皆さん、残念です。正解は画面の対角線、斜めの線の長さです。 このほかにも飛行機の高度もフィートで表しますよね。これも航空業界をアメリカがけん引する立場だからと言われています。
■ドルが世界の「お金」となった理由とは
世界を動かす単位と言えばお金もその一つです。そして世界の通貨と言えば、やっぱりドルです。どの程度ドルが世界を動かしているかというと、こんな驚きのデータがあります。 世界中で取引される貿易など決済のためにはお金が必要ですよね。そこで使われ通貨のうち、ドルが占める割合はどのくらいだと思いますか?これは外国為替市場の取引を見ていくとわかります。答えは約88%、実に9割近くです(通貨ペア別取引高シェア)。これだけ世界の取引でドルが使われているんですね。 ちなみにこの外国為替市場での取引きのうち、一番多いのはドルとユーロの交換です。その次はなんとドルと日本円です。日本円の流通量も多いということですね。