四季報「秋号」で調査 ! 従業員の「年収増加率」ランキング
年収増加率首位のワコムはペンタブレットが主力商品(写真提供:ワコム)
9月26日発売の 『週刊東洋経済』10月1日号 では「株の道場 短期vs.長期 どちらで稼ぐ」を特集。乱高下する短期の相場で稼ぐ投資法と、長期の大化け期待の銘柄を仕込む投資法の両方を徹底解説している。「大化け株候補」を探す3つ目のポイントは、従業員の平均年収だ。人への投資に積極的な企業は、従業員のモチベーションを高め、業績を拡大し、株価が大化けする可能性がある。 実例で示そう。ITコンサルティング会社のベイカレント・コンサルティング(6532)。2017年2月期の年収は875万円で、当時の株価は1200円程度だった。その後、毎期のように年収アップを続け、2021年2月期には年収1101万円へ。株価は2021年9月に6万3400円をつけた。株価50倍超へと大化けしたのだ。 このような大化け株候補がほかにもないか。記事下表は、直近期の従業員平均年収を3期前と比べた増加率でランキングしたもの。人への投資に積極的という意味で、従業員数そのものが増えていることも条件とした。 さらに、こうした拡大路線は成果につながればよいが、つまずくこともある。それを察知するために、従業員1人当たりの売上高も注視した。これが増えていれば、成長が続く中で人への投資を続けていると判断できる。 1位になったのはワコム(6727)。パソコンでイラストなどを制作する際に欠かせない「ペンタブレット」の大手企業だ。従業員の平均年収は3期前の837万円から直近期1122万円へ34.1%も増加した。2021年3月期に業績が急拡大したことを受け、2022年3月期のボーナスが大幅に増えた。 2021年3月期は新型コロナウイルスの流行でリモートワークが増え、ペンタブレットの特需が発生した。仕事での利用に加え、巣ごもり時間の増加で趣味用に購入する人も多かった。さらに、通信教育など新たな用途で活用されるケースも増えてきた。これにより2021年3月期の営業利益は134億円と、前期比2.4倍に膨らんだ。それを給料にも反映した。 2023年3月期も営業利益は5.2%増が見込める。コロナ特需は一巡したものの、スマートフォンやPCに付属するペンや、新用途の需要が拡大している。
本文:1,583文字
購入後に全文お読みいただけます。
すでに購入済みの方はログインしてください。
福田 淳