バルセロナがレアル・マドリードに大勝 林陵平がクラシコの勝負の分かれ目を徹底解説
【2列目からの飛び出しを狙ってもよかった】 レアル・マドリードは、後半、なかなか自分たちの時間を作れませんでした。背後に飛び出しても、エムバペは何回もオフサイドかかってしまう。 たしかに、もう少しバルセロナのラインの上げ下げにアジャストしてほしいなというシーンもありました。ただ、最前線でプレーしているなかでそこから走り込もうとすると、意識していたとしてもやはりオフサイドになってしまうものなんです。相手とギリギリの駆け引きをしているなかでのプレーですから。 そこで、この試合では2列目からの飛び出しも必要だったんじゃないかと考えました。たとえばベリンガムをトップ下に入れて、バルベルデを右MF、ヴィニシウスを左MFに。モドリッチとカマビンガのふたりを中盤に置く、4-2-3-1を試してもよかったのかなと。これであれば2列目のベリンガムやバルベルデが助走をつけて走り込んで、バルセロナの最終ラインの背後を取れたのではないかと思いました。 このあと点を取りに行こうと全体が前掛かりになったレアル・マドリードに対して、バルセロナはその背後を突くようにして2点を追加しました。 レアル・マドリードは前半ゲームプランがはまったので、本当にそこでゴールを決められればよかったんですけど、後半、ハンジ・フリック監督の修正でバルセロナに流れがいきました。バルセロナは攻守4局面においてすごくプレーが明確で、「強いな」と思わせる戦いでした。 ダニ・オルモやガビなどケガをしていた選手が帰ってきて、DFラインもロナルド・アラウホやアンドレアス・クリステンセン、エリック・ガルシアなども戻ってくると結構盤石になります。 ただ、このハイラインをクラシコでも見せつけたとなると、他のチームは「じゃあ、どういう風にそのハイラインを破っていくか」と対策もどんどん出てくると思います。そのあたりがこれからの楽しみになりますね。
text by Sportiva