“屈辱の試合”を経て本格化するウィザーズのドラ2新人アレクサンドル・サー。その背景にあるのは慣れと自信、私生活の充実<DUNKSHOOT>
ブライアン・キーフHC(ヘッドコーチ)もそんなサーについて「オフェンス面でより快適にプレーできるようになってきた。それで我々も、彼を中心としたプレーを多用するようになってきている」と信頼を寄せる発言しているから、ここからますます力を発揮できるシーンが増えそうだ。 フランスで生まれ育ったサーは、14歳という若さで家を出てレアル・マドリーの育成所に入所。その後もオーバータイム・エリートやオーストラリアリーグと海外で修行したこともあり、19歳という若さながら自立心は旺盛だ。 しかし現在は、ワシントン郊外のヴァージニア州に両親、そして兄のオリヴィエとともに暮らしている。 6歳年上で同じセンターのオリヴィエは、2021-22シーズンからオクラホマシティ・サンダー傘下のGリーグ球団オクラホマシティ・ブルーを中心にプレー。昨季はブルーのリーグ優勝に貢献したが、4月に行なわれたファイナルの試合中にアキレス腱断絶の大ケガを負ってしまった。 サンダーとの2WAY契約中だったが、そこでシーズンは終了。リハビリ中心の生活を送ることになった今季は、アレックスと同居し、弟の奮闘を側で支えている。両親、そして先輩プレーヤーである兄のサポートを受けている私生活の充実も、安定したパフォーマンスの助けになっていることだろう。 今季6勝27敗と苦戦するウィザーズでの戦いは試練ではあるが、パス能力にも秀でたオールラウンダーであるサーの持ち味が活かせる場でもある。タフな環境で揉まれることで、この先、予想をはるかに超える成長を見せてくれるかもしれない。 文●小川由紀子
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