竹田麗央「長かった」2時間死闘PO制し米ツアー初勝利 2年間の出場権も獲得し「ワクワク」
<日米女子ツアー共催:TOTOジャパンクラシック>◇最終日◇3日◇滋賀・瀬田GC北C(6616ヤード、パー72)◇賞金総額200万ドル(約3億円)、優勝賞金30万ドル(約4500万円) 竹田麗央(21=ヤマエグループHD)が、マリーナ・アレックス(米国)との死闘を制し、2年間の米ツアー出場権を獲得した。 6ホールにわたるプレーオフの末、国内8勝目、米ツアーでは初勝利。3打差4位で出たこの日18ホールを1イーグル、5バーディー、2ボギーの67で回り、通算15アンダー、201。プレーオフでは6ホールで2バーディーを挙げた。シーズン8勝は不動裕理、稲見萌寧に続く3人目。初の年間女王にも王手をかけた。 ◇ ◇ ◇ 6ホールにわたったプレーオフ。西日が落ちた薄明のグリーンで、竹田が滅多に見せないガッツポーズを繰り出した。「長かった。やっと終わった」。約1・2メートルのバーディーパットを決め、約2時間に及んだプレーオフに決着をつけた。 終盤の猛烈な追い上げが実を結んだ。首位に立つ同組のアレックスが15番でバーディーを挙げ、3打差を付けられた。それでもあきらめない。直後の16番パー5でイーグルを奪い1打差に迫ると、18番パー5でも2オンからバーディーを挙げて土壇場で追い付いた。 プロとしては初、アマ時代を含めても1度しか経験したことがないというプレーオフ。互いに譲らない展開が続き、「このホールがラストと聞いていた」という日没サスペンデッド寸前、相手のバーディーパットが外れた。直後の自身のパットを冷静に沈め、勝利をつかんだ。 前日に中止が決まると、「すごい雨が降る予報だし、仕方がない」と切り替えた。練習場で汗を流したあとは、仲の良い小祝さくらに誘われてゲームセンターへ。クレーンゲームで気持ちをリフレッシュさせて、この日に臨んだという。 来季の米ツアー参戦を目指し、12月の最終予選会にエントリーしていた。しかし今大会を制したことで、2年間の米ツアーの出場権を獲得。「勝てば(予選)免除とは知っていたが、あまりそこは考えず、プレーに集中した」。目の前の一打に神経を研ぎ澄ました。米ツアー行きの切符をつかみ取り、「来年から米ツアーでプレーできると思うとワクワクして、楽しみ」と話した。 シーズン8勝は国内3人目。残り3戦を残す中で、03年に不動裕理が挙げた最多10勝も視野に入る。この日の勝利で、早ければ次戦にも初の年間女王に決まる。「最後まで頑張りたい」。米国に乗り込む前に、まずは国内女王の勲章を目指す。【奥岡幹浩】