ANA、国内貨物に割引運賃 昼間便コンテナ限定で羽田-伊丹1.5万円
全日本空輸(ANA/NH)は3月25日、国内線貨物運賃に昼間帯限定の「コンテナバリュー運賃」を4月1日搭載分から新設すると発表した。国内線定期便の床下貨物室の空きスペースを有効活用し、航空貨物用コンテナ単位で提供する。羽田発着の札幌(新千歳)、伊丹、福岡の3路線で昼間帯の便に設定し、物流の2024年問題に対応する。 【写真】ANAが国内線に就航させる777より大きい787-10 ANAによると、航空貨物の多くは早朝や夜間の便で運ばれ、国内線の旅客定期便では昼間帯に空きスペースが出ており、重量ベースの利用率は約20%にとどまっている。新運賃は空きスペースを活用したもので、年間約100トン分の貨物を運べ、企業や個人が利用できる。同様の貨物運賃は国内初だという。 使用するコンテナは「LD3」と呼ばれるもので、ボーイング787型機などに搭載できる。コンテナ1台あたりの片道運賃は、羽田-伊丹間が1万5000円、羽田-札幌と福岡が各2万円となる。予約受付は搭載予定日の1週間前から前日まで受け付ける。 適用条件は、標準の「11型パレット」での持込貨物で、パレットの最大重量は1000キログラム、最大寸法が140センチ x 140センチ x 135センチであるなど。ANAグループの貨物事業会社ANAカーゴ(ANA Cargo)が運営する「国内貨物ポータルサイト」から予約でき、支払い方法は貨物カウンターでの前払い決済か、契約を結んだ上での後払いとなる。 物流業界では「2024年問題」として、慢性的なドライバー不足に加え、来月4月1日から自動車運転業務の年間残業時間の上限が960時間になることにより、輸送力の確保が求められている。ANAによると、今後は対象路線の拡大を目指すという。
Tadayuki YOSHIKAWA