福井県で開かれた全国知事会議＝8月1日、福井市のフェニックス・プラザ

　8月1日に福井県で開幕した全国知事会議は、開催地の財政負担が課題となっている国民スポーツ大会（国スポ＝旧国体）の在り方も議論した。負担軽減に向け、毎年開催は維持しつつ複数自治体での開催を可能とするよう国などに求めていく方針で一致。大会自体の廃止を訴える声が上がったほか、都道府県対抗で総合成績を争う形式に賛否が出た。 　国スポを巡っては2035年からの3巡目に向け、日本スポーツ協会が全国知事会などをメンバーとした有識者会議を設置し、見直しを検討する。9月上旬にも開かれる会合に向けて方向性をとりまとめた。 　現行の都道府県持ち回り開催を原則としながらも、全ての競技で基準を満たす施設を開催自治体単独で整備することは困難と指摘。複数都道府県での開催や、競技によっては開催地にかかわらず施設を固定化することを有識者会議で提案する。 　このほか▽本大会と冬季大会の区分の見直しを含め開催時期、開催期間の弾力化▽総合開・閉会式の簡素化▽実施競技や参加人数の見直し▽式典・競技開催経費の国・日本スポ協の半分以上の負担―などを求めていくことも確認した。 　こうした方針からさらに踏み込み、石川県の馳浩知事は「小手先の改善をしても根本的な問題は改善されない」と廃止を含めた見直しの必要性を強調。「本大会出場枠の縮小や競技数の削減などの主張を」（福岡県の服部誠太郎知事）との意見もあった。 　また、総合成績を都道府県対抗で競う大会の在り方について「過度な選手強化などを抑止するため廃止すべきだ」（服部知事）、「総合的な順位をつけるのにどんな意味があるのか」（三重県の一見勝之知事）との声があった一方、佐賀県の山口祥義知事は「維持したほうがいい」とし、福井県の杉本達治知事も「成績の付け方などは検討いただいたらいいが、アスリート育成にもつながっている」と継続を主張した。