「投資の力」でより豊かな将来を育む、アセットマネジメントOneが取り組む「資産運用立国」への貢献
東証がPBR(株価純資産倍率)1倍割れの企業に対してその是正策を明らかにするように求め、日経平均株価が34年ぶりに史上最高値を更新するなど、国内の株式市場が活性化してきた。その背景には、長らく続いてきたデフレ(物価下落)の時代が終わり、日本経済が緩やかなインフレ(物価上昇)に転じてきたことがある。この中にあって、いち早く日本株の運用体制を強化し、日本株式の魅力について積極的な情報発信を始めているのがアセットマネジメントOneだ。同社代表取締役社長の杉原規之氏(写真)に、同社の取り組みの狙いについて聞いた。 ◆一段と重要になる「エンゲージメント」
――2024年4月に株式運用グループ内のリサーチ機能とスチュワードシップ推進グループ、調査グループを統合して「リサーチ・エンゲージメントグループ」を新設するなど日本株の運用体制を強化されています。強化されたポイントとその狙いは?
「資産運用立国」の実現に向け、カギとなるのは、マザーマーケットである国内株式市場が強くなることです。世界で通用する日本企業を育て、その情報を広く国内外の投資家に向けて発信していくことが運用会社として重要な役割になると考えています。
国内の投資家を増やすにも、海外の投資家に日本株の魅力を訴えるにも、魅力ある日本株ファンドがあること、それを作ることが重要です。そのために、まず、長期に良質な運用を継続できる運用力の強化が必要です。ファンドマネジャーはもちろん、運用を支えるアナリストらの調査部隊も一体となって強化することを考えました。そして、投資先企業への働きかけも強化する必要があります。エンゲージメント(建設的な目的を持った対話)によって投資先企業の価値向上を促す力を強化したいと考えました。この2つが両輪となって全体の運用力が強化されます。
リサーチ力の強化については、これまで、セクターアナリスト、ESGアナリスト、マクロ経済アナリストなどが、それぞれに部門で分かれていたものを1つに統合し、情報連携や共同研究などがより進みやすい体制としました。中小型株から大型株まで一貫して総合的に調査分析する部隊になったのです。これによって、従来はセクターアナリストとESGアナリストが別々に取材に行っていたようなことが、1回で2つの側面から取材するようになって効率化も進みました。