AFTER AI時代に「求められる人材」とは? 身につけておきたい3つのスキル
テクノロジーの進化は私たちの生活を豊かにすると同時に、社会構造や働き方にも大きな影響を与えています。特に、AIの登場は、ビジネスのあり方や求められる人材像を大きく変えつつあります。この記事では、AI時代に求められる能力の変化について、書籍『AIが答えを出せない 問いの設定力』より解説します。 【図】AFTER AIはどう変わる? 比較図 ※本稿は、鳥潟幸志著『AIが答えを出せない 問いの設定力』(クロスメディア・パブリッシング)より、内容を一部抜粋・編集したものです。
時代の変遷に合わせて、変化が求められる能力
人類が誕生してから現代に至るまで、「思考・創造性」は一貫して人間が持つ特別な能力と思われてきました。それが、テクノロジーの急速な発展によりごく単純な思考作業を皮切りに、少しずつ代替される可能性が見えてきました。 この技術トレンドの前後で、私たちに求められる能力にはどのような変化があるのでしょうか? BEFORE AI(後期)からAFTER AIにかけて、必要な能力がどのように変化するのかを表した図を参照してください。 図の左側に示されている内容からみていきます。まず、BEFORE AI(後期)については、コンピュータとインターネットが普及した後の2000年代以降をイメージいただきたいと思います。 この時代には、スマートフォン、SNS、動画共有サービスなど新しいテクノロジーを土台に便利なサービスが数多く誕生しました。その過程で多くのスタートアップが日本でも生まれることになり、私たちの日常生活も一変しましたが、私たちが普段使うサービスの多くを生み出したのは日本企業ではなく米国を中心としたグローバル企業です。 一方で、日本のGDPの多くは、依然として大企業を中心に生み出されています。そしてそれらの大企業は、1980年代以降に成長した製造業や通信業、金融業などを母体とする企業です。これらのビジネスで重要な要素は、製品・サービスの「品質」や効率的なオペレーション構築による「コスト削減」にあります。そのため、多くの大企業が中央集権的でオペレーションを重視した形で組織を運営しています。 現在、イノベーションの重要性が叫ばれ、さらに人的資本開示の流れもあり、多くの企業が組織のあり方を変化させようと努力をされていますが、その変革の道のりは長く続くと言えるでしょう。 これとは対照的に、多くのイノベーションを生み出し、柔軟に変化し続けている組織はこれまでと異なるパラダイムで組織運営を行い、そこで活躍する人材も新しい能力を身につけ、アップデートをし続けています。ここからは、ビジネスパーソン個人の能力に焦点を当てながら、BEFORE AI/AFTER AIの求められる能力の変化をみていきたいと思います。