「一体どこがビジネスバイクなのか!?」お蔵入りになったホンダ125ccスクーターの真相
ビジバイとは何か? そこに何を積むのか?
究極的に仕事に使えれば、形やスタイルにこだわる必要がない。だが。荷物は沢山積めた方がいい、というのがD案の考えるビジバイの在り方だった。というよりも、基本的な立ち位置は、『荷物が積めれば何だっていいじゃん。だから車体を伸ばしてしまえばいい』という、もうフリーダム全開である。 「ビジバイがあくまでも荷車であるとするなら、それをどういうふうに使うのか? 例えばサーフボードのような長さが2m前後もある超長尺モノを積めたら面白い。そのためにはシート下にそれを差し込めるスペースが欲しいから、それこそ通常のバイクでは両持ち構造のシートレールをぶった切り片持ちにする必要があった。で、実際にそれを作ってみたら特徴的な外観で面白かった」(出羽) 長いボディを持ったモデルということで、市販のロングスイングアームを使って検討してみた。検討ベース車のZOOMERのホイールベースを150mm長くして試乗してみたら、『まあまあ乗れる』となった。そこで、『どうせなら区切りよく一尺にしよう』ということになって、モジュールフレームの分割部にスペーサーを入れ更に150mm延長し試乗し、手ごたえを得た。 その結果からデザインを構想してみたところ、スイングアームの延長だけでは車体のスペース効率が悪いことが判明した。それならば、フレームそのものを延ばそうということになったのである。 ちなみに、125ccの原付二種としたのは、2001年と2004年のリサーチ結果を比較すると、原宿エリアにおけるスクーター需要の拡大と、原付二種スクーターに乗る若者の増加が明確に認められたからである。 原付の30km/hの速度規制、2段階右折、陸橋等の通行禁止がなく、ふたり乗りもできる。それでいて必要充分な動力性能があり、価格も維持費も250ccに比べて安いため、街乗りに原二スクーターは合理的だというのが、調査対象となった若者たちの認識だった。