ヒトは元来、肉食体質。ケトジェニックダイエットが理にかなってるワケ
ケトジェニックダイエットには100年の歴史がある
ケトン体という馴染みの薄い名前にビビり、「そんな新しいダイエットに飛びつくのは危険だ」と不安になる人もいるかも。 でも、ケトダイエットにはかなり長い歴史があり、安全性は確立している。 ケトダイエットが最初に用いられたのは、おもに子供の難治性てんかんの食事療法として。100年以上前の1921年の話だ。てんかんの一因は、脳の神経細胞がエネルギー源として糖質を使えなくなること。そこで脳にケトン体の利用を促し、てんかんの症状を緩和しようという治療法だった。 ケトン食療法は、カロリーに占める脂肪の割合が80%超という極端な高脂肪低糖質食。いわば究極の糖質制限ともいえる。1938年にてんかんの治療薬が開発されたが、現在でも抗てんかん剤やホルモン療法で発作が抑えられない場合、大人でもアレンジされたケトン食療法が用いられるケースがある。ケトン食を実施した患者の約半数で、発作の頻度が半分以下になるなどの効果が期待される。 取材・文/井上健二(初出『Tarzan』No.871・2024年1月4日発売)