職場で自分と相手の感情を理解し共感するための「4つのヒント」
現代のようなペースの速い職場環境で、成功に必要な要素は技術的スキルだけではない。同様に重要でありながら見落とされがちなのが、自己認識(自分の感情や思考、行動について理解すること)と、共感(他人と喜怒哀楽の感情を共有し、相手のそれを理解すること)である。 2つの資質は、お互いを尊敬し、協力関係を築き、成長を共有できる環境を構築することに役立つ。また、これらの資質を育むことは、社員個人にとっても、会社全体にとっても良いことだ。デロイトの調査によると、88%の従業員が、明確な職場文化はビジネスの成功にとって重要だと考えている。 本稿では、仕事における自己認識と共感を高める4つの方法を紹介しよう。 ■トラブルの解決に取り組む オフィスでは時に口論が起こることがある。プロジェクトのプレゼンにおける些細な意見の相違、性格の不一致、チーム内の目的の不一致などがその主な理由だろう。これらの問題はすべて、トラブル解決のための方法を知ることで対処することができる。 まずは自分自身の感情の引き金を認識し、管理する方法を学ぶことが重要だ。たとえ状況がヒートアップしているように感じても、冷静さと落ち着きを保つことが役に立つ。同様に、積極的傾聴のスキルを磨くことも大切だ。相手の話をさえぎることなく真に理解し、思い込みをしないようにしよう。問題の本質に迫るためには、明確な質問をすることが有効だ。 皆が落ち着いたら、完全に同意できなくても相手の懸念を認めよう。そして、非難したり過去の問題にこだわったりする代わりに、解決策を見出す方向に会話をシフトさせよう。 こうすることで、問題がエスカレートしてしまう前に、チームメンバーが安心して懸念を表明できる環境が醸成される。また、うまく解決した対立から学び、その教訓を今後の状況に生かすことができるだろう。 ■マインドフルネスの実践 職場でマインドフルネスを実践することは、集中力を維持し、ストレスを軽減するだけでなく、同僚とのコミュニケーションをより良くする助けとなる。マインドフルネスは、さまざまな方法や形で行うことができる。例えば仕事を始める前に「今日は何を達成したいだろうか? 他の人にどのような自分の姿を見せたいだろうか?」と自問することで、その日に集中すべきことを定め、自分のタスクや活動を整理することができる。 ストレスを感じたり注意散漫になったら、深呼吸をして心を落ち着かせ、集中力を高めよう。会議では、相手の話を先入観なく聞き、反論を考えず集中するアクティブリスニングを実践しよう。 仕事の終わりには、その日に感謝していることを3つ振り返り、考え方をより前向きでバランスの取れた状態にシフトさせるのもよい方法だ。また、職場から離れ個人的な環境に移行し、リラックスして集中する準備にもなる。