おなかの「たるみ」取り手術に1300万円-肥満治療薬で減量後
減量薬に毎月1000ドル以上を支払っていた人々の多くが、体重を落とした後の体の微調整にもお金をかける用意があることは明らかだ。これらの形成手術のうち保険が適用されるものはほとんどなく、全身で8万ドル(約1300万円)以上の費用がかかると専門家は言う。
ASPS会員で体形矯正を専門とする形成外科医、ミシェル・シャーマック氏は「まったく新しいタイプの患者だ」と話す。ボルティモアにある同氏の診療所では患者の約20%が減量剤を服用しているという。「私たちは皆、8号サイズに戻れることに興奮している」と同氏は語った。
GLP-1ブームは形成外科医に恩恵をもたらしているだけでなく、しわ対策のボトックスやフィラー(皮下注入)のようなサービスを提供するメディカルスパのビジネスもけん引している。ASPSの報告書によると、ボトックスと同様の注射は23年に9%増加し、フィラーは8%増加した。一部の患者にとっては、こうした非侵襲的なオプションや運動が有効だ。しかし、体重が大幅に減少した患者にとっては、形成外科手術が緩んだ皮膚を引き締める唯一の方法かもしれない。
「ズボンを乾燥機にかけて丈を短くすることはできない。裾をかがるしかない。余分な皮膚も同じだ。形成外科手術は、それに対処する唯一の方法だ」と、ニューヨーク市の形成外科医、アラン・マタラッソ氏が述べた。
45歳のアリソン・ローズ氏は、減量によく使われる2型糖尿病治療薬オゼンピックとモンジャロで合計148ポンド減量した。ミズーリ州在住の同氏は、胴体の周りに皮膚のたるみのひだが残り、繰り返し化膿した。体重が3分の1近く減ったにもかかわらず、服はウエストにフィットしなかった。その部分は常に汗ばんで擦りむけていて、一日に何度シャワーを浴びても悪臭がしたという。
同氏は3月に脂肪層切除と呼ばれる手術を受けた。外科医は結局6ポンドの皮膚と組織を切除したという。
保険会社は、下腹部の緩んだ皮膚を取り除く「エプロンタック」と呼ばれる脂肪層切除手術を保険対象とするかもしれない。処置は場合によって医学的に必要とみなされる。これとは対照的に、妊娠後の女性によく行われる「タミータック」は脂肪を吸引して腹筋を引き締めるという、より審美的な選択とみなされるため、通常保険は適用されない。