大和証G、7ー9月純利益は前年比8割増 あおぞら銀の持ち分適用化で
Miho Uranaka [東京 29日 ロイター] - 大和証券グループ本社が29日に発表した2024年7─9月期連結純利益は前年同期比80.5%増の537億円だった。あおぞら銀行の持ち分法適用関連会社化による負ののれんの発生が利益をかさ上げした。 大和証Gは5月にあおぞら銀との資本提携を公表。6月には追加取得を発表し、保有比率は23.95%となっている。今回、負ののれんとして営業外収益に約200億円を計上した。 アセットマネジメント部門も利益に貢献した。米国のテクノロジー株やインド株をはじめとする海外株式ファンドへの資金流入が好調だったことに加え、不動産の分野では物件の売却などによる利益を計上したことで、経常利益は過去最高益を更新した。 個人の資産管理を手掛けるウェルスマネジメント部門では、8月以降に金融市場で不透明感が高まる中で顧客の様子見姿勢が強まりフロー収益は減少した。会見した吉田光太郎・最高財務責任者(CFO)によると、7─9月期は、日本株や米株を中心とする外国株の売買だけでなく投資信託の買い付けも落ち込んだという。 法人向けのトレーディングや投資銀行業務を担うグローバル・マーケッツ&インベストメント・バンキング部門では、吉田CFOは、政策保有株の売却などの売り出し案件の獲得が物足りなかったと指摘した。 体制強化のため人員を拡大したM&A(企業の買収・合併)の助言事業でも、収益は増えているがコストを補えていないという。ただ、吉田CFOは「そう遠くない時期に利益が出てくると期待している」と述べた。 同社は、相場の影響が大きいことなどを理由に通期予想を開示していない。アナリスト4人による通期連結純利益の予想平均値は1272億円となっている。 *会社発表の決算数字は以下をご覧ください。https://www.release.tdnet.info/inbs/140120241028504267.pdf (浦中美穂 編集:田中志保)