「木登りも刃物で工作もOK」禁止事項を減らし子供が自由に遊べる公園
騒音問題のほかにも、プレーパークならではの苦労があります。子供たちは高いところに登って遊ぶのが好きなので、わざわざマンガを読むだけなのに物置小屋の上に登ることもあるのです。すると、隣接する民家から『家の中を覗かれているように感じる』と苦情が寄せられたのです。 「その場合、物置小屋に登るのを禁止にはしません。物置の上で遊べる環境を残しながら地域との折り合いをつけるため、登っても迷惑のかからない位置に物置を移動させました。あくまでも物置に登って遊べる環境は残します。その中で折り合いをつける工夫を考えるのです」(同) 羽根木プレーパークが、開園してから36年が経ちました。その間、世田谷区は3つのプレーパークを新たに開設しています。世田谷区以外でも、プレーパークの理念に共鳴する行政や研究者、親たちによってプレーパークを開設する動きが見られます。自由に遊べる場は拡大を続けています。 自由に遊べるプレーパークは、決して新しい公園ではありません。しかし、公園が子供の遊び場機能を喪失していく中で、プレーパークの“自由に遊べる”という考え方と取り組みが注目されているのです。 (小川裕夫=フリーランスライター)