「木登りも刃物で工作もOK」禁止事項を減らし子供が自由に遊べる公園
プレーパークでは、子供たちが遊ぶことに夢中になってしまいケガをすることも珍しくありません。スリ傷ぐらいのケガでしたら気にならないでしょうが、病院に通院・入院するようなケガだったら一大事です。そうした事態が起きないように、また起きてもすぐに対応できるようにプレーパークではプレーワーカーという、有給スタッフが2名常駐しています。 プレーワーカーはケガをした子供たちの手当てもしますが、普段は子供たちと一緒に遊ぶ「お兄さん」「お姉さん」です。子供たちと一緒に道具をつくり、遊具の点検もします。子供たちが自由に遊べる環境を整えることを優先することがプレーワーカーの役割なので、「危ないから、そんな遊びはやめなさい」といった注意は、ほとんどしません。公園の管理事務所職員のような存在ではないのです。
子供たちの声や騒音に対するクレームは?
プレーパークは子供たちが楽しく遊べる場になっていますが、行政にクレームが寄せられることも珍しくありません。 プレーパークのある世田谷区はプレーパークの意義に理解を示し、支援もおこなっています。また、東京都の舛添要一都知事は「幼児期に大きな声を出して遊ぶことは成長過程において大事なこと」と、子育て支援に関して社会に理解を求めています。都議会も都知事の意向に同調し、環境確保条例を改正。条例で規定されている騒音から「子供の声や足音」などを削除しています。 行政が子供の声などを騒音には該当しないと規定しても、それは法律的な話です。子供の遊ぶ声を不快に思う人はいることでしょう。 プレーパーク内は自由に遊べるといっても、声や物音は園内の外にも響きます。プレーパークでは太鼓を叩く、楽器を演奏するといった遊びをすることもあります。それだけに、騒音問題は避けて通れません。 「騒音の問題は、区の担当者や町内会長さんとコミュニケーションを密にしておくことが重要だと思います。イベント開催時にはカレーの無料チケットを配るなど、近隣住民の方々にも参加してもらえるようにして、プレーパークを理解してもらえるように努めています。また、行政とのコミュニケーションも重要です。コミュニケーションをきちんと取ることで、区にとってプレーパークは重要な施設であると認識してもらえるようになりました。そうした行政の認識は、プレーパークを運営する上でも大きいと感じます」(同)