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吉田徹

吉田徹

認証済み

同志社大学政策学部教授

報告

ジョンソン首相がその職に相応しいとするイギリスの有権者は2割に留まり、反対に相応しくないとするものは7割以上に上っている。コロナ禍では「危機時のリーダー支持」(旗本集合効果)が働いて人気が高まったものの、ここにきての物価高で最初から低かった信頼はさらに低下する悪循環に陥っている。財務相の辞任もこれからの景気低迷でその責任と取りたくないという算段もあったのではないだろうか。 下院選の任期は、前回の2019年末から数えて残すところ2年強。凋落にあった保守党議席を回復させたジョンソン首相の功績は否定しがたく、ウクライナ戦争の最中に辞任も考えにくいが、任期切れを前に首相の座を禅譲する、というが確実なシナリオとなるのではないか。

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コメンテータープロフィール

専門は比較政治、欧州政治。東京大学大学院総合文化研究科博士課程修了(学術博士)。日本貿易振興機構(JETRO)パリ・センター、パリ政治学院招聘教授、ニューヨーク大学客員研究員、北海道大学法学研究科教授等を得て現職。フランス国立社会科学高等研究院リサーチ・アソシエイト、シノドス国際社会動向研究所理事。著書に『アフター・リベラル』(講談社現代新書)、『ポピュリズムを考える』(ちくま新書)、『感情の政治学』(講談社メチエ)『ミッテラン社会党の転換』(法政大学出版局)、編著に『ヨーロッパ統合とフランス』(法律文化社)、『現代政治のリーダーシップ』(岩波書店) など。

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