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吉田徹

吉田徹

認証済み

同志社大学政策学部教授

報告

解説パナヨトゥ氏が当選したのは、出身国がキプロスという、人口わずか90万のEU加盟国としては最も小さい国であることが作用しただろう。無所属として立候補した氏が獲得したのは7万票(得票率19%)、今回の欧州議会選挙のキプロスでの投票率は60%だったから、成人有権者の約5人に1人が投票すれば当選する算段になる。数百万のフォロワーを持つ人物にとっては大した数ではないだろう。 ちなみに同氏は公約で教育改革に力を入れるとしているが、1人会派では何もできないし、実績もなければ再選も難しくなる。どこぞの国でもユーチューバ―が当選したが、結局の所、何もできなかったし、何かをやる気があったとも思えない。フォロワーの数が政治力に転換されるわけではないのである。

コメンテータープロフィール

専門は比較政治、欧州政治。東京大学大学院総合文化研究科博士課程修了(学術博士)。日本貿易振興機構(JETRO)パリ・センター、パリ政治学院招聘教授、ニューヨーク大学客員研究員、北海道大学法学研究科教授等を得て現職。フランス国立社会科学高等研究院リサーチ・アソシエイト、シノドス国際社会動向研究所理事。著書に『アフター・リベラル』(講談社現代新書)、『ポピュリズムを考える』(ちくま新書)、『感情の政治学』(講談社メチエ)『ミッテラン社会党の転換』(法政大学出版局)、編著に『ヨーロッパ統合とフランス』(法律文化社)、『現代政治のリーダーシップ』(岩波書店) など。

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