提言あれこれ突っ込みどころはあるが、打ち出した施策をとにかく一度やってみて、出てきたエビデンスを検証し、そこでまた考えていくしかないと思っている。高野連も同じ考えではないだろうか。これは個人的な意見だが、近年導入された球数制限などについては、すべての選手がプロ野球を目指しているわけでもなく、「高校までで野球をやめるから故障しても最後まで投げきりたい」という選手もいるはずで、そこまで横並びに縛る必要があるのか?とも思うのだが、熱中症対策はプレーする選手だけでなくスタンドで観戦する観客や応援の生徒も含めた命に関わることなので急務だ。時代は変わっている。「夏の高校野球はこうなんだ」という固定観念に縛られていると、何事も先に進んでいかない。開催時期を動かしようがないのなら、複数球場の使用などドラスティックな改革案を本気で検討していくべき時に来ている。まずはこの夏の甲子園で動向を見ていきたい。
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コメンテータープロフィール
1966年、山梨県出身。出版社勤務を経て、1994年、フリーランスのライターとなる。野球を中心に数多くのスポーツノンフィクション作品を発表。細かなリサーチと現場取材に基づいた人物ルポルタージュを得意とする。著書に『元・巨人』(ザ・マサダ)、『松坂世代』(河出書房新社)、『遊撃手論』(PHP研究所)、『PL学園最強世代 あるキャッチャーの人生を追って』(講談社)、『松坂世代、それから』(インプレス)などがある。