見解中国の責任転嫁は今に始まったものではないが、この主張は中国が今後も領空侵犯を含むその他の軍事的挑発を行う可能性が高いことを示しているため、単なるレトリックとして見るのは危険だ。中国は力をつけてくるにつれ、強引に支配と影響力を拡大しており、「グレーゾーン事態」が拡大・多様化している。このため、緊張が常態化してしまうと、偶発的な衝突が発生する可能性が高まるため、注意が必要である。中国の戦略と動向は、我が国と東アジア地域の平和と安定を脅かすものであり、日米台韓豪加とその他の国々が防衛力と協力・連携を強化し、新たな戦略を構築することが最も重要である。
コメンテータープロフィール
長野県佐久市出身。専門は防衛政策・戦略・計画、安全保障、国際政治、交通政策。アトランティックカウンシル上席研究フェロー(米)、パシフィックフォーラム上席研究フェロー(米)などを兼任。オーストラリア国立大学アジア研究学部卒、同大大学院戦略防衛研究科修士課程修了(豪)、ニューサウスウェールズ大学大学院キャンベラ校人文社会研究科博士号取得(豪)。パシフィックフォーラム研究フェロー(米)、ムハマディア大学マラン校客員講師(尼)、釜山大学校経済通商大学国際学部客員教授(韓)、東京大学先端科学技術研究センター特任助教などを経て現職。