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山口亮

山口亮

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東京大学先端科学技術研究センター特任助教

報告

解説北朝鮮と対話できたことは評価できるが、まんまと相手に乗せられたというところだ。結論から言うと、文在寅政権の融和路線は北朝鮮の軍事戦略と計画に何の影響なかった。北朝鮮は1960年代から核兵器計画を進めており、核戦力は軍事戦略・作戦上重要なものであるため、そう簡単に放棄するものではない。簡単に言うと、南北交流と首脳会談は、韓国を政治的に懐柔し、米朝会談への踏み台に過ぎなかった。経済制裁においても、確かに北朝鮮にとっては打撃だったが、ある程度耐えられる体制である上、北朝鮮は非核化どころか更なる軍事近代化を進めた。北朝鮮は引き続き、各種ミサイルの発射実験・訓練、偵察衛星の打ち上げに加え、軍事境界線付近で韓国に対し軍事的圧力を加える可能性が高い。北朝鮮の軍事的脅威が高まっていることは事実であり、日米韓その他の国々が防衛力と協力・連携を強化する必要がある。

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    デイリーNKジャパン編集長/ジャーナリスト

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コメンテータープロフィール

山口亮

東京大学先端科学技術研究センター特任助教

東京大学先端科学技術研究センター特任助教。長野県佐久市出身。専門は防衛政策、安全保障、国際政治、比較政治、交通政策。オーストラリア国立大学アジア研究学部卒、同大大学院戦略防衛研究科修士課程修了(豪)、ニューサウスウェールズ大学大学院キャンベラ校人文社会研究科博士号取得(豪)。パシフィックフォーラム研究フェロー(米)、ムハマディア大学マラン校客員講師(尼)、釜山大学校経済通商大学国際学部客員教授(韓)を経て、2021年8月より現職。主著に『Defense Planning and Readiness of North Korea: Armed to Rule』(Routledge, 2021)。

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