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山田吉彦

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海洋問題研究者/東海大学海洋学部海洋理工学科教授

報告

見解中国の経済支援は、アジア、アフリカ大陸、中南米、太平洋島嶼国へと一帯一路政策と歩調を合わせ拡大している。借款により経済支援を受けた国には、返済という重荷が覆い被さる。債務の罠といわれるものだ。 スリランカのハンバントタ港は、中国への返済に窮し、港の運営権を金銭化し返済に当てた。運営権を購入したのは中国政府系企業で、実質的に中国による港湾運営が行われている。 太平洋島嶼国へは、経済支援の見返りとして、ら台湾(中華民国)との断交を求めている。また、軍事的な関係強化と中国人の移住の拡大も進んでいる。 中国による債務の罠を危惧する国も出ている。カザフスタンでは、中国の経済的支配の拡大を阻止しようとする運動が拡大している。 太平洋島嶼国は、中国との関係と並行し、オーストラリアや日本との関係強化を進める国も多い。日本は、太平洋島嶼国サミットにおいて島嶼国の発展や安寧のための支援を続ける意思を示した。

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  • 門倉貴史

    エコノミスト/経済評論家

    見解中国の経済援助の大きな問題点は、表向きは途上国の開発支援をうたいながらも、実際には援助相手国に対する…続きを読む

コメンテータープロフィール

山田吉彦

海洋問題研究者/東海大学海洋学部海洋理工学科教授

東海大学海洋学部教授。1962年千葉県出身。学習院大学経済学部卒後、金融機関を経て日本船舶振興会(現日本財団)に勤務。勤務の傍ら埼玉大学大学院博士課程修了。博士(経済学)。2009年東海大学教授。海難審判庁業務改善委員会委員、国土交通省海洋政策懇談会委員、東京都専門委員などを歴任。八重山自然大使。海洋コメンテータとして各種メディアで海洋問題を解説。著書、日本の国境(新潮新書)ほか多数。

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