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鶴岡路人

鶴岡路人

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慶應義塾大学総合政策学部准教授

報告

解説ロシアの核兵器部隊が「即応態勢」であること自体は何も新しくない。米国の核兵器も即応態勢だ。それに大統領があえて言及することには意味があるが、いかなる脅威に対して核の威嚇をおこなっているかが不明確だ。 2022年夏から秋にかけては、ウクライナ軍の攻勢でロシア軍が敗走を繰り返していたため、起死回生の策としての核兵器使用が懸念されたが、現在は、各地の戦場でロシアが優勢であり、核兵器に頼る必要がない。プーチン大統領が核兵器に言及するたびに新聞の見出しになってしまうのはやむをえないが、慌てずに、冷静に状況を分析することが今後も求められる。

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コメンテータープロフィール

鶴岡路人

慶應義塾大学総合政策学部准教授

専門は国際安全保障、現代欧州政治。慶應義塾大学法学部卒。同大学大学院、米ジョージタウン大学大学院で学び、英ロンドン大学キングス・カレッジ戦争研究学部で博士号(PhD)取得。在ベルギー日本大使館専門調査員(NATO担当)を経て、2009年から2017年まで防衛省防衛研究所教官、主任研究官。その間、防衛省防衛政策局国際政策課部員、英王立防衛安全保障研究所(RUSI)訪問研究員等を務める。2017年から現職。著書に『欧州戦争としてのウクライナ侵攻』(新潮選書、2023年)、『EU離脱』(ちくま新書、2020年)等。また、2023年から2024年までオーストラリア国立大学(ANU)訪問研究員。

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