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鶴岡路人

鶴岡路人

認証済み

慶應義塾大学総合政策学部准教授

報告

解説停戦をめぐる議論はさまざまになされるが、基本的な構図を確認することが重要だ。 ①ロシアは戦争目的(ウクライナの中立化、非ナチ化、非軍事化)に変化がないことを繰り返し強調 ②戦況が有利でさらなる占領地拡大が可能だと考える限り、停戦へのロシアのインセンティブは低い ③他方、ロシアが停戦を持ち出すことで、「平和を願っているのはロシア」というイメージを拡散することの利益(ウクライナの戦意喪失、NATO諸国の武器供与阻害)は常に存在 ④ウクライナは領土の割譲を「公式には」認めにくい ⑤停戦後にウクライナの安全をいかに確保(ロシアの再侵攻を阻止)するかが課題。これがなければ停戦後に持続可能な平和は実現しない 今後さまざまな発言・報道があったとしても、これらの基本的構図に変化があるかを見極める必要がある。

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コメンテータープロフィール

鶴岡路人

慶應義塾大学総合政策学部准教授

専門は国際安全保障、現代欧州政治。慶應義塾大学法学部卒。同大学大学院、米ジョージタウン大学大学院で学び、英ロンドン大学キングス・カレッジ戦争研究学部で博士号(PhD)取得。在ベルギー日本大使館専門調査員(NATO担当)を経て、2009年から2017年まで防衛省防衛研究所教官、主任研究官。その間、防衛省防衛政策局国際政策課部員、英王立防衛安全保障研究所(RUSI)訪問研究員等を務める。2017年から現職。著書に『欧州戦争としてのウクライナ侵攻』(新潮選書、2023年)、『EU離脱』(ちくま新書、2020年)等。また、2023年から2024年までオーストラリア国立大学(ANU)訪問研究員。

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