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鶴岡路人

鶴岡路人

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慶應義塾大学総合政策学部准教授

報告

補足重要な一歩だ。在ベルギーのEuroclearで凍結されているロシア中央銀行資産は約1900億ユーロであり、当面は、資産の没収ではなく利子の使用で落ち着いた。ウクライナ支援に消極的でロシアと近いハンガリーの賛成を得た点も重要だ。ロシア凍結資産の活用可能性については、米国主導でG7でも議論がおこなわれているが、その先鞭をつける格好になる。 加えて、ベルギー当局による同資産による利益への課税収入を、2025年以降、EUないし G7の共同基金に自主的に入れる方向になった。これが年間17億ユーロ(2800億円)にのぼる。ベルギー政府は、これまでも同税収をウクライナ支援に使ってきたと説明してきたが、各国から批判が高まっていた。

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コメンテータープロフィール

鶴岡路人

慶應義塾大学総合政策学部准教授

専門は国際安全保障、現代欧州政治。慶應義塾大学法学部卒。同大学大学院、米ジョージタウン大学大学院で学び、英ロンドン大学キングス・カレッジ戦争研究学部で博士号(PhD)取得。在ベルギー日本大使館専門調査員(NATO担当)を経て、2009年から2017年まで防衛省防衛研究所教官、主任研究官。その間、防衛省防衛政策局国際政策課部員、英王立防衛安全保障研究所(RUSI)訪問研究員等を務める。2017年から現職。著書に『欧州戦争としてのウクライナ侵攻』(新潮選書、2023年)、『EU離脱』(ちくま新書、2020年)等。また、2023年から2024年までオーストラリア国立大学(ANU)訪問研究員。

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