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鶴岡路人

鶴岡路人

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慶應義塾大学総合政策学部准教授

報告

「保護せず」という見出しは刺激的。バルト諸国とポーランドは9月19日から、EU諸国(シェンゲン参加国)のビザ保有者でも居住者や人道的理由以外では入国を認めていないなか、「徴兵逃れ」の人々の入国問題が浮上。彼らを、それだけの理由では人道上の特例として入国させないという判断。 ただ、政治的庇護を求める動きが拡大した際にはEUにとっても厄介な問題になる可能性がある。これまでにも、反プーチン政権の活動家やジャーナリストなどは保護の対象になってきたなかで、どこで線引きすることになるのか。何らかの条件のもとに受け入れる場合、ラトビアを含めた、ロシアと国境を接する諸国に負担が偏らないような仕組みを確保する必要があろう。人口の少ないバルト諸国(エストニアは130万、ラトビアは190万)に、ロシア人が万単位で流入すれば、それ自体が安全保障上のリスクになる。

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コメンテータープロフィール

鶴岡路人

慶應義塾大学総合政策学部准教授

専門は国際安全保障、現代欧州政治。慶應義塾大学法学部卒。同大学大学院、米ジョージタウン大学大学院で学び、英ロンドン大学キングス・カレッジ戦争研究学部で博士号(PhD)取得。在ベルギー日本大使館専門調査員(NATO担当)を経て、2009年から2017年まで防衛省防衛研究所教官、主任研究官。その間、防衛省防衛政策局国際政策課部員、英王立防衛安全保障研究所(RUSI)訪問研究員等を務める。2017年から現職。著書に『欧州戦争としてのウクライナ侵攻』(新潮選書、2023年)、『EU離脱』(ちくま新書、2020年)等。また、2023年から2024年までオーストラリア国立大学(ANU)訪問研究員。

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