解説北朝鮮兵が「常に徒歩で移動し、車両も高性能兵器も使用しない」とは、やはり「捨て駒」としてしか扱われていないことを示しているのだろう。それでもロシアとの関係を強化するとともに、兵士に実戦経験を積ませることが利益になると考え、北朝鮮政府は彼らを派遣したのだといえる。ただし、基礎的な訓練すら不足しているようにみえる部隊に、いきなり実戦を経験させたところで、能力向上にどこまで役立つのかは疑問だ。
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コメンテータープロフィール
専門は国際安全保障、現代欧州政治。慶應義塾大学法学部卒。同大学大学院、米ジョージタウン大学大学院で学び、英ロンドン大学キングス・カレッジ戦争研究学部で博士号(PhD)取得。在ベルギー日本大使館専門調査員(NATO担当)を経て、2009年から2017年まで防衛省防衛研究所教官、主任研究官。その間、防衛省防衛政策局国際政策課部員、英王立防衛安全保障研究所(RUSI)訪問研究員等を務める。2017年から現職。著書に『欧州戦争としてのウクライナ侵攻』(新潮選書、2023年)、『EU離脱』(ちくま新書、2020年)等。また、2023年から2024年までオーストラリア国立大学(ANU)訪問研究員。
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