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遠田晋次

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東北大学災害科学国際研究所 教授

報告

解説バヌアツ地域は日本と同じプレートの沈み込み帯にあたり,地震活動がきわめて活発な地域です.今回の地震は沈み込む海洋プレート(オーストラリアプレート)内部で発生した,いわゆる「スラブ内地震」です.2021年2月(M7.3), 2022年3月(M7.4)に発生した福島県沖の地震と同じタイプです.震源断層は北東ー南西走向の鉛直の縦ずれ断層と推定されています.バヌアツは地震多発地帯にもかかわらず普段は被害に結びつくケースは少ないです.2010年8月10日にも今回の震源近くでプレート境界型のM7.3が発生していますが,深刻な被害となりませんでした.今回は,震源断層の北東端が島の直下に位置することで,真下から強い震動が首都を襲い,被害が拡大したと考えられます.福島県沖の地震での宮城県や福島県の揺れの強さ(最大震度6強)を思い出すと,ポートビラの揺れの強さが想像できるかと思います.

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コメンテータープロフィール

遠田晋次

東北大学災害科学国際研究所 教授

専門は地震地質学、活断層研究。宮崎県出身。電力中央研究所研究員、東京大学地震研究所助手、産業技術総合研究所活断層研究センター研究員、京都大学防災研究所准教授を経て2012年より現職。著書に『連鎖する大地震』(岩波科学ライブラリー)、『活断層地震はどこまで予測可能か』(講談社ブルーバックス)。

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