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高野龍昭

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東洋大学 福祉社会デザイン学部 教授/介護支援専門員

報告

見解高齢者福祉•高齢者の生活支援の観点からは「106万円の壁」が撤廃されることに大きな意義があると考えます。 これが撤廃されれば、週20時間以上の就業をするすべての被用者は厚生年金と健康保険の対象となり、その被用者の公的老齢年金(老齢厚生年金の対象へ移行))の給付水準が向上し、現役世代の間に障害を負った際にも障害厚生年金の対象となって公的障害年金の水準が向上します。健康保険制度では、国民健康保険制度には設定されていない傷病手当金が設定されており、疾病などで休業をする際の一定の補償も受けられます。 こうしたメリットはとりわけ女性に大きく、ジェンダーの観点から問題視されている(年金制度の)「第3号被保険者」や(健康保険制度の)「被扶養者」の縮小にも繋がるでしょう。 ただし、社会保険料負担が増えて手取りが減る可能性があること、さらに、事業主の社会保険料負担が新たに発生することなどの問題点もあります。

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  • 門倉貴史

    エコノミスト/経済評論家

    見解主婦パートを中心とした90万人は、新たに厚生年金と健康保険に入ることで、実質的に手取り収入は減少する…続きを読む

  • 花輪陽子

    シンガポール在住FP(CFPⓇ・1級FP 技能士)

    補足確かに「106万円の壁」が撤廃されると、非正規労働者や美容師さんなどが厚生年金保険に加入できるように…続きを読む

コメンテータープロフィール

高野龍昭

東洋大学 福祉社会デザイン学部 教授/介護支援専門員

1964年・島根県生まれ。1986年から医療ソーシャルワーカーやケアマネジャーの実務を経験し、2005年から東洋大学で介護福祉士などの福祉専門職養成と高齢者福祉・介護保険制度・ケアマネジメントの研究を行う。社会福祉士・介護支援専門員。

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