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鈴木洋仁

鈴木洋仁認証済み

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社会学者/神戸学院大学准教授

報告

見解「新年おめでとうございます」から始められたのが印象に残ります。 元日に出された「天皇陛下のご感想(新年に当たり)」では、「多くの人にとって御苦労の多い年であったこと」への思いを冒頭に置かれていました。 これにたいして、きょうの「お言葉」では、お祝いを述べられた上で、災害をはじめとする「ご苦労の多い生活をされている多くの方々」を案じておられます。 おととしは、新型コロナウィルス感染症の感染拡大に鑑みて3年ぶりにおこなわれ、参賀者は、抽選で選ばれた12,642人でした。抽選のなかった、その3年前(令和2年)は68,710人です。 人数の多い/少ないよりも、こうしたニュースにふれて、皇室や皇族だけではなく、被災地に思いを馳せるところに、意味があるのでしょう。 古くから災害に見舞われてきた日本において、新しい年のはじまりに、多くの人たちがお互いを思いやる、そんな機能が、この行事にあると思われます。

コメンテータープロフィール

鈴木洋仁

社会学者/神戸学院大学准教授

1980年東京都生まれ。専門は歴史社会学、メディア論。元号や天皇に関する研究を進めている。東京大学大学院学際情報学府博士課程修了。博士(社会情報学)。京都大学総合人間学部卒業後、関西テレビ放送、ドワンゴ、国際交流基金、東京大学等を経て現職。著書に『「平成」論』(青弓社)、『「元号」と戦後日本』(青土社)、『「三代目」スタディーズ』(青土社、2021年2月刊)、共著に『牧野守 在野の映画学』(太田出版、近刊)などがある。

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