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白鳥浩

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法政大学大学院教授/現代政治分析

報告

解説通訳を介した5分間の「会談」であるが、はたして「会談」とよべるのであろうか? 通訳が入るとすれば、正味半分ぐらいの「挨拶」をかわしたというところではないか。 何といっても、トランプ氏は「経営者」であり、もともと「政治家」ではない。そこで、おのずから相手のトップとの「交渉(ディール)」を行うことを重視する。そこでは、相手を信頼するに足る、時間を共有する、という事が必要であり、会食を共にしたり、ゴルフなどの何らかのアクティビティを共有する経験が必要である。 ところが、石破氏は、初の外遊であるASEAN首脳会議でも、各国首脳との夕食中に中座して自室に籠っていたという。そうした姿勢では、トランプ氏とは良好な関係を構築できない。 そもそも国内の支持の低い首脳は、「ディール」では足元を見られる。しっかりとした交渉相手として見られない可能性もある。トランプ氏との関係は石破外交の今後が問われることとなる。

コメンテータープロフィール

白鳥浩

法政大学大学院教授/現代政治分析

日本政治法律学会理事長。博士(政治学)。日本の政治、選挙、政策変容を中心に、それとの比較で海外の政治変容にも関心を持つ。東京、地方での講義、講演、出演依頼は可能な限り喜んで引き受けている。というのも多様な地域の大学での研究、講義経験や、政治家、ジャーナリスト、研究者、市民からの示唆は、自分の糧であり、その交流は喜びである。国内では静岡大学助教授、長崎県立大学専任講師、海外では英国オックスフォード大学ニッサン日本研究所、オックスフォード大学ペンブローク・カレッジ客員フェロー、ドイツ連邦共和国マンハイム大学客員教授、ノルウェー王国オスロ大学客員研究員等、学会では日本政治学会理事なども歴任した。

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