解説そもそもフランスは2014〜16年にICPOの身柄拘束手配を無視してポール・ワトソン容疑者の長期滞在を認めた経緯があり、ワトソン側も今後、仏に逃亡すれば過去のケースに基づき滞在が許されるはずだ。 なのに、なぜ仏へ亡命申請したかといえば、それほど日本で裁判を受けるのが怖いからだろう。 マクロン大統領が前のめりになって、仏社会で広がるワトソン擁護の決定打が欲しいのだ。しかし、亡命まで受け入れるリスクはしたくないと判断しているようだ。 ワトソン側は7月の拘束後、徹底して日本の非を訴えているが、それなら日本の法廷で堂々と無罪を主張すればいい。 日本は民主主義国家であり、司法の独立性は担保されている。 事実、私はワトソン容疑者の反捕鯨妨害を有罪に導くのはそれほど容易ではないとみている。 ワトソン容疑者には、世界的にも著名な弁護団がついている。身柄移送決定後は、国際的なリーガルケースになるだろう
コメンテータープロフィール
岩手県一関市生まれ。大阪外国語大学ロシア語学科(現・大阪大学)卒業後、産経新聞社入社。モスクワ支局長、リオデジャネイロ支局長を経て、運動部次長、社会部次長などを歴任。2021年より現職。専門分野はロシア・旧ソ連諸国情勢、国際情勢に加え、オリンピック・パラリンピック、捕鯨問題などにも詳しい。フィギュアスケート関連ではNumberなどにも寄稿。単著に「シー・シェパードの正体」(扶桑社新書)「環境テロリストの正体」(新潮新書)。近著は「動物の権利」運動の正体(PHP新書)
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