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佐々木正明

佐々木正明

認証済み

大和大学社会学部教授/ジャーナリスト

報告

プリゴジンの乱の結末は、決して台風一過の後の青空ではなく、プーチン大統領にとって、政権基盤の弱体化という爪痕を残しそうだ。 ブリゴジン氏への刑事事件も1日で取り下げられたのだが、「政権は汚職まみれ」というプリゴジン氏の主張は多くの国民の心に突き刺さったようだ。 現地メディアがこんな一幕を伝えている。 南部ロストフに滞在していたプリゴジン氏は、決定を受けて街を後にした。その際、回りにいた若者たちはプリゴジン氏に握手を求めて見送った。 その後、現地にやってきたのは地元警察のパトカーの列だった。 若者たちは警察官に対して、裏切り者」「恥め!」と罵声を浴びせた。 戦争の長期化で、住民には底知れぬ不安と不満が溜まっている。 若者たちは、いつか戦地へ駆り出され、棺桶になって帰ってくる恐れがある。 ブリゴジン氏は昔気質の任侠の親分のような印象たが、彼の反乱は人々の声を代弁してくれたのではないか。

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コメンテータープロフィール

佐々木正明

大和大学社会学部教授/ジャーナリスト

岩手県一関市生まれ。大阪外国語大学ロシア語学科(現・大阪大学)卒業後、産経新聞社入社。モスクワ支局長、リオデジャネイロ支局長を経て、運動部次長、社会部次長などを歴任。2021年より現職。専門分野はロシア・旧ソ連諸国情勢、国際情勢に加え、オリンピック・パラリンピック、捕鯨問題などにも詳しい。フィギュアスケート関連ではNumberなどにも寄稿。単著に「シー・シェパードの正体」(扶桑社新書)「環境テロリストの正体」(新潮新書)。近著は「動物の権利」運動の正体(PHP新書)

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