昨日よりも、少しずつ事実関係がわかってきましたが、いまだ園の対応のことはほとんどわかっていません。このような園児のバス置き去りの悲しい事故はこれまでも何度も報道されてきました。今回の事故について、大きな問題はバス乗降時の子どものチェック、園内での個々の点呼等々がなされていたかという基本的な課題があります。しかし、そうしたマニュアルがあってチェック体制があったとしてもヒューマンエラーは起こりえます。だからこそ、保育の中で個々の子どもへの丁寧なかかわりがあることが不可欠です。これは、そもそも事故防止のためというよりも子どもの育ちを支える関係性です。ここに保育の質の重要な側面があります。子どもを集団で管理的に見る保育からは個々への良好な関係性は生まれません。今回の事故がとても残念なのは、保育の中でこのお子さんの不在が気づかれなかったのではないかということです。ご冥福をお祈りいたします。
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コメンテータープロフィール
専門は、保育学・乳幼児教育学。主に乳幼児期の教育・保育および子育て支援に関する質的な研究。 社会的活動としては、日本保育学会理事、乳幼児教育学会理事、こども環境学会理事、等がある。主著には、『「語り合い」で保育が変わる-子ども主体の保育をデザインする研修事例集』、『非認知能力を育てる あそびのレシピ 0~5歳児のあと伸びする力を高める』、『日本が誇る!ていねいな保育 0・1・2歳児のクラスの現場から』『21世紀型保育の探求-倉橋惣三を旅する』等がある。