解説先日のウクライナ外務省の発表ともほぼ同内容で、現状でのロシア・クルスク州進攻作戦についてのウクライナ政府の「公式見解」となります。華々しく、十二分な軍事的成功を収めたウクライナですが、一方、ロシアが公開する映像では西側供与の車両がドローンで破壊されるものもあり、それなりに損害が出ている可能性があります。実は7月末に、今回の作戦に参加した第80独立空挺強襲旅団の優秀な指揮官が一応昇任の形で「更迭」され、それに部隊幹部が反対する動画が公開されるという一件がありました。一説には「兵力に不釣り合いな任務に反対したため」と言われたのですが、今考えてみるとこのクルスク作戦のことと思われます。優秀なエリート部隊指揮官から見てもかなり野心的かつ損害が予想されるリスクの高い作戦だったわけですが、現状ではまだ作戦継続中で、最終的な結果は、当然ロシア側の反撃によっても異なるのはいうまでもありません。
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コメンテータープロフィール
政治・経済・文化などのウクライナ研究、日本・ウクライナ交流史が専門。ウクライナ国立農業科学アカデミー初の外国人会員。日本人とウクライナ人の交流史に関する著書を続けて刊行しているほか、ウクライナの詩集や民話の日本語への翻訳も行っている。ウクライナ内閣名誉章、最高会議章、ウクライナ大統領付属国家行政アカデミー名誉教授などを授与される。ロシアへの留学経験もあり。Yahoo!ニュース 公式コメンテーター「コメンテーターアワード2022」受賞。なお発信内容は個人の見解であり、所属先を代表するものではありません。