Yahoo!ニュース

岡部卓

岡部卓

認証済み

新潟医療福祉大学教授・東京都立大学名誉教授

報告

補足刑余者が住まいの確保を困難となっている理由には、次のことが考えられる。①頼るべき家族等と疎遠になり支援が受けられない、⓶家主・不動産会社から敬遠され住まいが確保でいない、③住まいが確保されないことにより雇用を確保できない、④無収入・不安定収入で生活費・住宅費を支払うことができない、⑤行政提供等の支援情報へのアクセスや相談機関等あまり出向かない等である。このことが、出所者の生きづらさ、生活しづらさ、働きづらさにつながり、出所者によってはまた犯罪を犯す者も出てくる。 このような事態を避けるため、刑余者の生活再建は 住まいの確保から始まるといってよい。住まいを所管する国土交通省、刑余者を所管する法務省、福祉・雇用を所管する厚生労働省が共管で、出所者をはじめ住まいに課題を抱えた人(住宅確保要配慮者)に対し住まいを提供する事業者(居住支援法人)の確保や協議会の設置、施設等の取り組みを進めている。

コメンテータープロフィール

岡部卓

新潟医療福祉大学教授・東京都立大学名誉教授

新潟医療福祉大学教授・東京都立大学名誉教授。貧困・低所得問題を中心として研究・社会的活動を行う。専門は社会保障論、社会福祉論。日本社会事業大学・社会事業学校教員、東京都立大学教授、明治大学教授を経て2024年4月より現職。著書として『生活困窮者自立支援-支援の考え方・制度解説・支援方法』(編 著、中央法規)、『貧困問題とソ ーシャルワーク』(共編、有斐閣)、『生活保護における社会福祉実践』(単著、全社協)等。社会的活動として社会保障審議会委員(厚労省)、神奈川県子ども・若者施策審議会委員、東京都社会福祉協議会理事等

岡部卓の最近のコメント