補足痛ましい事件である。 DVにより心身等のダメージを、また経済的困窮となる女性が生活保護の相談窓口に訪れる、駆け込むことがある。そこでは、先ず相談者のつらい気持ちや苦しい経済状態に耳を傾け、相談者の問題の所在や生活全体の把握を行い、女性の抱える生活課題の解決を図る制度・サービス(制度資源)や民間団体等(民間資源)の紹介・活用を行なうことになる。生活保護制度もその一つであるが、DV等に関わる別な制度・サービスを所管する女性相談支援センター、警察等と連携協力し、DV、経済的困窮等の困難を抱える女性への支援を行う必要がある(緊急対応も含め)。 本記事では、3度の生活保護の申請が行ったが受け付けられなかったとしているが、そこでは、亡くなられた女性に対し生活保護の制度説明や他制度・サービスの紹介や他機関・団体等の連携協力がどの程度なされていたか、また申請抑制ととられかねない対応はなかったのか、である。
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コメンテータープロフィール
新潟医療福祉大学教授・東京都立大学名誉教授。貧困・低所得問題を中心として研究・社会的活動を行う。専門は社会保障論、社会福祉論。日本社会事業大学・社会事業学校教員、東京都立大学教授、明治大学教授を経て2024年4月より現職。著書として『生活困窮者自立支援-支援の考え方・制度解説・支援方法』(編 著、中央法規)、『貧困問題とソ ーシャルワーク』(共編、有斐閣)、『生活保護における社会福祉実践』(単著、全社協)等。社会的活動として社会保障審議会委員(厚労省)、神奈川県子ども・若者施策審議会委員、東京都社会福祉協議会理事等