補足第三者を構成員とする再検証委員会で客観的・専門的な検証が行われ判断されたことは、前進である。とくにいじめが死亡少女に甚大な影響を与えたこと、いじめと死亡の因果関係を示されたこと、そしていじめの発見、対応が適切であったか(被害生徒、加害生徒、学校、教育委員会等)の事実確認と対応方法等が適正に行われていたか等の検証・審議を経て結論が出されているものと思われる。 しかし問題は、被害生徒の死に応えるために、加害生徒が本事案に深く反省し今後の生活(学校生活・社会生活・職業生活)を送っているか(送るか)、また教育委員会や学校が再発防止の取り組みをどれだけ具体性・実効性を持って行っているか(行うか)である。
コメンテータープロフィール
新潟医療福祉大学教授・東京都立大学名誉教授。貧困・低所得問題を中心として研究・社会的活動を行う。専門は社会保障論、社会福祉論。日本社会事業大学・社会事業学校教員、東京都立大学教授、明治大学教授を経て２０２４年４月より現職。著書として『生活困窮者自立支援－支援の考え方・制度解説・支援方法』（編 著、中央法規）、『貧困問題とソ ーシャルワーク』（共編、有斐閣）、『生活保護における社会福祉実践』（単著、全社協）等。社会的活動として社会保障審議会委員（厚労省）、神奈川県子ども・若者施策審議会委員、東京都社会福祉協議会理事等
