解説偽情報自体は昔からありましたが、今回の大統領選挙が昔と大きく違った点に生成AIの存在があります。 2024年7月米司法省はロシア政府の関与が疑われる組織が運営していた生成AIを活用したソーシャルメディアボットファームを摘発しました。このボットファームは特殊なソフトウェアを使用して大規模な架空のソーシャルメディアペルソナを作成する高度な仕組みを持っていたことが確認されています。 他にもディープフェイクや偽メディア等、悪意を持った攻撃グループがより洗練された影響力行使キャンペーンを実施するための障壁が低くなった選挙戦でした。 日本も対岸の火事ではなく、生成AIの怖い所は翻訳にも長けているため日本人向けの偽情報も従来より精度高く作成可能な点にあります。こういった生成AIを利用した偽情報が存在するということを認識し、これまで以上に「自分で正しい情報かどうか」を判断する能力が求められています。
コメンテータープロフィール
通信事業者用スパムメール対策、VoIP脆弱性診断等の経験を経て、現在は企業セキュリティの現状課題分析から対策ソリューションの検討、セキュリティトレーニング等企業経営におけるセキュリティ業務を幅広く支援。 ITやセキュリティの知識が無い人にセキュリティのリスクを解りやすく伝えます。 受賞歴:アカマイ社 ゼロトラストセキュリティアワード、マカフィー社 CASBパートナーオブ・ザ・イヤー等。所有資格:CISM、CISA、CDPSE、AWS SA Pro、CCSK、個人情報保護監査人、シニアモバイルシステムコンサルタント。書籍:『ビッグデータ・アナリティクス時代の日本企業の挑戦』など著書多数。