補足現場でも、「疲れすぎて眠れない」は聞く訴えで、アスリートの慢性疲労(オーバートレーニング)では、不眠もよくみられる。一般的には、疲労による脳の過覚醒が考えられるが、詳細なメカニズムはわかっていない。不眠が疲労にも、身体(肉体)的疲労、中枢性疲労(脳が感じる疲労)など区別できるので、本研究のように、睡眠がどの疲労と関連があるのかなどがわかれば、精神医学、心理学だけでなく、産業医学やスポーツ医学にも役立つ成果が期待される。
コメンテータープロフィール
早稲田大学スポーツ科学学術院・教授 早稲田大学睡眠研究所・所長。東京医科歯科大学医学部卒業。自治医科大学講師、ハーバード大学、スタンフォード大学の客員講師などを経て、現職。日本精神神経学会精神科専門医、日本睡眠学会総合専門医など。専門は睡眠、アスリートのメンタルケア、睡眠サポート。睡眠障害、発達障害の治療も行う。著書に、「休む技術2」(大和書房)、「眠っている間に人の体で何が起こっているのか」(草思社)など。
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