見解栄養学の観点でミネラルというと、ヒトが生きていくうえで食事から摂らなければならない無機質の事をいいますが、長期的な健康を維持するために不可欠ではあるものの、短期的にはエネルギー源になる糖質、たんぱく質、脂質の三大栄養素と水の確保が最優先です。 避難所などで一先ず落ち着き、1週間以上過ごす頃になると、蓄えが少ない水溶性ビタミンの補給が大事になります。これは野菜や果物、総合栄養食品などを避難所で配布することで欠乏を回避できます。 ミネラルの補給は大切ですが、緊急時の優先順位は高くありません。 ミネラルの過剰摂取は健康に問題のない人では心配ありませんが、腎機能障害がある人ではカリウムの過剰摂取は心機能に重大な影響を及ぼす事もあり、最悪心停止に至る事もあります。 善意であっても、特定の栄養素が多く含まれている食品を添加するのは、推奨されません。
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コメンテータープロフィール
管理栄養士、健康科学修士。病院、短期大学などを経て、現在は社会福祉法人に勤務。ペンネーム・道良寧子(みちよしねこ)名義で、主にインターネット上で「食と健康」に関する啓もう活動を行っている。猫派。著書:新装版管理栄養士パパの親子の食育BOOK (内外出版社)3月15日発売、共著:謎解き超科学(彩図社)、監修:すごいぞやさいーズ(オレンジページ)