見解「まずは育成からやり直すことが巨人に求められる」という広澤氏のコメントはまるで阿部巨人が最下位に終わったかのようなダメ出しですが、実際は戸郷投手、山崎投手、井上投手らを地道に育て、野手では2年目の浅野選手を抜擢した結果が4年ぶりのリーグ優勝に繋がりました。 ただ巨人に限らず、今のNPB球団全体が抱えている問題は、「一昔前なら15年はチームを託せるエースと4番打者が育っても数年でメジャー移籍を目指してしまう」という点ではないでしょうか。 結果、長期的なチームビジョンも立てにくく、国内移籍市場も縮小化している。巨人でいえば、近未来の岡本選手や戸郷投手の去就がチーム成績に直結する。こればかりは時代の流れですが、巨人二軍最多の15本塁打を放った、育成のティマ選手のような独自路線のチーム強化法に注目したいと思います。
コメンテータープロフィール
1979年埼玉県生まれ。大阪芸術大学映像学科卒。2010年開始のブログ『プロ野球死亡遊戯』が話題に。『文春野球コラムペナントレース2017』では巨人を担当し初代日本一に輝いた。主な著書に『プロ野球死亡遊戯』(文春文庫)、『現役引退』『令和の巨人軍』(新潮新書)ほか。新刊『プロ野球 助っ人ベストヒット50 地上波テレビの野球中継で観ていた「愛しの外国人選手たち」 』(ベースボール・マガジン社)も絶賛発売中!
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