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中道治久

中道治久

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京都大学防災研究所附属火山活動研究センター教授

報告

補足現在分かっていることを正確に伝えている好感が持てる記事。ウラウン火山はラバウル火山観測所によって監視されている。11月1日に山頂火口から白い噴煙があがっており、一連の活動の中で、噴煙高度15,000メートルの大規模噴火に至ったと位置づけられる。火山灰の拡散状況は世界の区域毎にある航空路火山灰情報センターによって把握されており、この火山の位置からすると、今後の火山活動と火山灰の拡散状況によっては日本とオーストラリア・ニュージーランドを結ぶ航空路に影響が出る可能性もある。火山現象によって発生する津波は多岐にわたるため「遠地地震に関する情報」の枠組みでの運用に課題がある。例えば噴煙高度が15,000メートル以上と言っても、内陸部の火山で発生したのなら、津波が起こるとは思えない。逆に、噴煙高度がこれより低いとしても、山体崩壊や海底噴火や鳥島のように海底地盤変動によって津波が起こることもある。

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同じ記事に対する他のコメンテーターコメント

  • 森田正光

    気象解説者/気象予報士/ウェザーマップ会長

    補足大規模火山が噴火した場合、気象的にもっとも注意しないといけないのは噴煙の高さです。地上から15000…続きを読む

コメンテータープロフィール

中道治久

京都大学防災研究所附属火山活動研究センター教授

富山県出身。東北大学大学院理学研究科博士課程後期修了。博士(理学)。東京大学地震研究所と防災科学技術研究所にて研究員、名古屋大学大学院環境学研究科助教を経て、2013年に京都大学防災研究所に着任。国内外の火山にて観測を行い火山活動を明らかにしてきた。火山災害の軽減のための研究を行っている。日本火山学会研究奨励賞、日本自然災害学会Hazards2000国際賞などを受賞。

中道治久の最近のコメント

  • 中道治久

    京都大学防災研究所附属火山活動研究センター教授

    補足噴煙高度が我々が日常生活をしている高さにある大気は対流圏で、その上に成層圏がある。これらの境界が圏界…続きを読む

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  • 中道治久

    京都大学防災研究所附属火山活動研究センター教授

    補足衛星で測った噴煙の温度を大気温度の鉛直分布に当てはめて高度を推定している。噴煙は火口から上昇して対流…続きを読む

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