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村野将

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米ハドソン研究所研究員

報告

補足ミサイル専門家の間では常識ですが、ほとんどの弾道ミサイルの速度は極超音速域に到達します。プーチンがわざわざ「極超音速中距離弾道ミサイル」と呼称しているのは、なんとなくすごそうに見せるための誇張です。 2019年まで米露間には、射程500ー5500kmまでのあらゆる地上発射型ミサイルの開発・生産・配備を禁止するINF条約がありました。今回のミサイルの原型と見られるRS-26は、2012年に一度だけ5800kmの飛翔試験が行われたことがありますが、以後3回の飛翔試験は全て2000km前後で行われました。すなわちロシアは、RS-26をINF条約に抵触しない「実験、開発中のICBM」と言い張りつつ、(未配備なので)戦略兵器の配備上限を定める新STARTの対象にもならない事実上の中距離ミサイルとして、以前から開発していたということになります。

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    軍事/生き物ライター

    見解ロシアの新型IRBMオレシュニクの正体は、おそらく開発を6年前に凍結していたRS-26ルベーシュ(I…続きを読む

コメンテータープロフィール

岡崎研究所や官公庁で戦略情報分析・政策立案業務に従事したのち、2019年より現職。マクマスター元国家安全保障担当大統領補佐官らと共に、日米防衛協力に関する政策研究プロジェクトを担当。専門は、日米の安全保障政策、核・ミサイル防衛政策、抑止論など。 【近著】 -ブラッド・ロバーツ(監訳・解説)「正しい核戦略とは何か」(勁草書房、2022年) -峯村健司他(共著)「ウクライナ戦争と米中対立 帝国主義に逆襲される世界」(幻冬舎新書、2022年) -森本敏、高橋杉雄他(共著)「新たなミサイル軍拡競争と日本の防衛」(並木書房、 2020年9月)

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