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森井昌克

森井昌克

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神戸大学大学院工学研究科 特命教授・名誉教授

報告

見解個人を特定できない形で応募された顧客情報とはどういう情報でしょうか。一般的には想像できません。もしそれが可能であるような申請フォームの設定になっていたとしても(顧客から、他の応募客の個人情報が閲覧できたということに矛盾しますし、GoogleFormsからは想像できませんが)、つまり氏名とメールアドレスと住所がそれぞれ正しく対応つけられない設定になっていたとしても、たかだか111人ですから、十分推定が可能な情報です。個人を特定できないと断言することは正しくないでしょう。「GoogleFormsの設定が不十分であった」というような曖昧な理由(言い訳)ではなく、設定を間違ったと正確に示すべきであり、個人情報管理の杜撰さは明確です。松竹は多大なコンテンツを有する会社であることからも、単に今回の再発防止に留まらず、情報管理、サイバーセキュリティ全体について再点検すべきでしょう。

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  • 大元隆志

    CISOアドバイザー

    解説"各情報は個人毎には紐付けられない表示となっておりました為、個人を特定することは困難であると判断して…続きを読む

コメンテータープロフィール

森井昌克

神戸大学大学院工学研究科 特命教授・名誉教授

1989年大阪大学大学院工学研究科博士後期課程通信工学専攻修了、工学博士。同年、京都工芸繊維大学助手、愛媛大学助教授を経て、1995年徳島大学工学部教授、2005年神戸大学大学院工学研究科教授。情報セキュリティ大学院大学客員教授。情報通信工学、特にサイバーセキュリティ、インターネット、情報理論、暗号理論等の研究、教育に従事。加えて、インターネットの文化的社会的側面についての研究、社会活動にも従事。内閣府等各種政府系委員会の座長、委員を歴任。2018年情報化促進貢献個人表彰経済産業大臣賞受賞。 2019年総務省情報通信功績賞受賞。2020年情報セキュリティ文化賞受賞。電子情報通信学会フェロー。

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