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三牧聖子

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同志社大学大学院グローバル・スタディーズ研究科准教授

報告

解説トランプ陣営に「極左」「危険なほどリベラル」と批判されてきたハリスが大統領選の勝利に向けて、中道の道を模索していることが明らかになったインタビューでもあった。その1つが、気候変動への取り組みだ。上院議員時代のハリスは、地球温暖化リスクがあるとして、「フラッキング(水圧破砕法)」と呼ばれる、岩石を砕いてシェールガスを抽出する手法の禁止に賛成していたが、インタビューを通じ、この立場は放棄されることが明確になった。激戦州の一つである中西部ペンシルベニア州は世界でも有数の天然ガスの供給源であり、フラッキングへの反対世論も強い。大統領選に勝利するための現実的な戦略が優先されたといえる。こうした政策的立場の変化についてハリスは、「価値観は変わっていない」と述べたが、支持者にはもう少し丁寧に説明していく必要があるだろう。ハリスにリベラルな政策を期待していた民主党支持者からは失望の声もあがっている。

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コメンテータープロフィール

三牧聖子

同志社大学大学院グローバル・スタディーズ研究科准教授

アメリカ政治・外交、国際関係論、平和研究。東京大学教養学部卒、同大大学院総合文化研究科で博士号取得(学術)。日本学術振興会特別研究員、早稲田大学助手、米国ハーバード大学、ジョンズホプキンズ大学研究員、関西外国語大学助教、高崎経済大学経済学部国際学科准教授を経て2022年より現職。著書に『戦争違法化運動の時代-「危機の20年」のアメリカ国際関係思想』(名古屋大学出版会、2014年)共訳・解説に『リベラリズムー失われた歴史と現在』(ヘレナ・ローゼンブラット著、青土社)。

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