記事にある実刑判決とは、1982年、米国連邦裁判所が脱税・虚偽の陳述などの罪で、文鮮明に18ヶ月の禁固刑と25000ドルの罰金を宣告したことだ。文鮮明は最高裁まで上告したが敗れ、1984年に収監された。 こうした罪のほか、アメリカで文鮮明はその浪費的な生活で知られている。ニューヨークでの豪華な生活に加え、夫婦でラスベガスでギャンブルにも興じていた。統一教会への支持を得るために、父ブッシュ大統領など共和党の政治家に巨額の献金も行っていた。ビジネス収益に加え、文鮮明の浪費的な生活を支えたのが、当時、経済大国の地位にのぼりつめた日本の信者からの献金収入だった。ニューヨークの豪邸には、日本の教会幹部が現金袋を携えて定期的に訪れていたという。米国でも統一教会の布教は行われ、合同結婚式なども開催されたが、金銭被害は日本の信者が突出している。改めて、この被害を風化させてはならないと思わせる記事だ。
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コメンテータープロフィール
アメリカ政治・外交、国際関係論、平和研究。東京大学教養学部卒、同大大学院総合文化研究科で博士号取得(学術)。日本学術振興会特別研究員、早稲田大学助手、米国ハーバード大学、ジョンズホプキンズ大学研究員、関西外国語大学助教、高崎経済大学経済学部国際学科准教授を経て2022年より現職。著書に『戦争違法化運動の時代-「危機の20年」のアメリカ国際関係思想』(名古屋大学出版会、2014年)共訳・解説に『リベラリズムー失われた歴史と現在』(ヘレナ・ローゼンブラット著、青土社)。
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