見解劇場公開の順番は前後してしまいましたが、寛一郎さんにとって実質の俳優デビュー作は瀬々敬久監督の『菊とギロチン』(18)でした。瀬々監督は本作をあえて自主映画のようなスタイルで製作することを決意し、2016年に撮影。クラウドファンディングで資金を集めるなどしたため、劇場公開まで時間を要したという経緯がありました。その間に『心が叫びたがってるんだ。』(17)や『ナミヤ雑貨店の奇蹟』(17)が先に劇場公開されたことは、奇しくも本記事で寛一郎さんが語っている“貯金”にも繋がり、『菊とギロチン』で新人賞や助演男優賞に輝く下地にもなっていた感があります。その『菊とギロチン』内覧試写の場に佐藤浩市さんの姿がありました。佐藤さんと瀬々監督は、自主映画の如き同じスタイルで製作された『ヘヴンズ ストーリー』(10)で組んだ仲。それゆえ、息子・寛一郎さんを信頼する監督に託したように感じたことを思い出します。
コメンテータープロフィール
東京芸藝術大学大学院映像研究科映画専攻修了。テレビ、映画の現場を経て執筆業に転向。『WOWOWぷらすと』『米粒写経 談話室』『シン・ラジオ〜ヒューマニスタは、かく語りき〜』など、テレビ・ラジオ・配信番組に出演。YouTube『そえまつ映画館』を毎週金曜日に更新、Loftにて『映画解説講座』を定期開催中。『キネマ旬報』『DVD&動画配信でーた』劇場パンフレット等に多数寄稿、共著に『現代映画用語事典』(キネマ旬報社)などがある。ゴールデン・グローブ賞の国際投票権を持ち、キネマ旬報ベスト・テン選考委員、田辺・弁慶映画祭審査員、デジタルハリウッド大学客員准教授などを務めている。日本映画ペンクラブ会員。
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