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益尾知佐子

益尾知佐子認証済み

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国際政治学者/九州大学大学院比較社会文化研究院教授

報告

補足もし日本や他の国で、中国人の子供が中国人だというだけで殺人鬼に狙われる事件が3ヶ月に2回も発生したり、中国人が17人も長期拘束されたり投獄されたりすれば、中国人は安心してその国に行けるのでしょうか? むしろそんな場合、中国政府はほぼ確実に世論を誘導して反対デモを起こし、製品ボイコットや経済制裁を繰り出すのではないでしょうか。中国政府も、人民の安全が一番大切、と常に言っていますよね。 そのようなレベルのことが起きているのに、このようなときでも被害者ぶる中国のメンタリティには、もはやまともな対話が不可能だと思い知らされます。根本原因は、このような雰囲気を作ってしまっている政治にあります。個人的には、反日教育より反日・反米感情を煽る近年のメディア政策の方が責任が大きいと思います。中国人は政府がどちらの方を向いているか常に見守っており、その枠内で自分の行動を選ぼうとする傾向があります。

コメンテータープロフィール

益尾知佐子

国際政治学者/九州大学大学院比較社会文化研究院教授

専門は現代中国の対外政策、国際関係論。東京大学総合文化研究科博士課程修了、博士(学術)。小倉高校在学中にアメリカに、東京大学教養学部在学中に中国に交換留学してサバイバル力を磨く。日本国際問題研究所研究員、エズラ・F・ヴォーゲル教授研究助手、早稲田大学講師などを経て現職。ハーバード大学イェンチン研究所協働研究学者、中国社会科学院・外交学院訪問学者などを歴任。単著に『中国の行動原理──国内潮流が決める国際関係』、『中国政治外交の転換点──改革開放と「独立自主の対外政策」』、共著に『中国外交史』、訳書にエズラ・F・ヴォーゲル『日中関係史』など。好きなものは国境。

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